節分を過ぎ、旧暦でも新たな年を迎えることとなりました。
気持ちも新たに、皆様とご一緒に熟成日本酒の楽しみを広げていきたいと思っております。
さて、お酒の喜び、楽しみというのは、古くから詩歌のテーマになってきました。
万葉集の中にもお酒についての歌があり、中でも大伴旅人の「酒を讃(ほ)むる歌」十三首が良く知られています。
私が好きなのは、その最初の一首です。
験(しるし)なき ものを思はずは
一杯(ひとつき)の 濁れる酒を 飲むべくあるらし
意訳させていただくと、
「答えの出ないような事柄をあれこれと考えていないで
一杯の濁酒を飲む方がよほどいい」
という感じでしょうか。
下手な考え休むに似たり、ということに留まらず、まずはお酒を飲んでみるのがよかろう、とお酒を讃える方向に一歩踏み込んだ歌だと感じます。
取りようによっては、お酒を飲む理由をまた一つ見つけた、というふうにも取れますね。
さて、この一杯(ひとつき)、どんな酒盃だったのでしょうか。
お酒の味わいは、酒器で大きく変わります。
旅人は、どんな盃で濁酒を飲んでいたのか、気になるところです。
熟成日本酒の場合、常温でグラスで飲んでいただいたり、お燗をつけて、お気に入りの盃で飲んでいただくことで、美味しさが増す銘柄が数多くあります。
このため、熟と燗の店舗内バーでは、特別に作っていただいた白磁の盃で、熟成酒ならではの色合いと香り、味わいを楽しんでいただいています。
お客様から、「これは買えないの」というご質問をいただくことも多く、今回、追加で同じものを作家さんに焼いていただき、オンラインで販売することになりました。
内田 智裕さんの手になる白磁は、師事された黒田泰蔵氏同様、いわく言い難い持ちばかりの良さ、口当たりの心地よさを感じさせる「お酒の魅力を引き出す」素敵な盃です。
この機会にぜひお試しください。
内田智裕作 白磁 盃
◇ 商品名 酒器2個セット
価格:2個セット 8,000円(税込)
※写真の盃台はついておりません。
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