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ヨーロッパで認められた熟成酒

ヨーロッパで認められた熟成酒

5月、6月と続けて嬉しいニュースが飛び込んできました。 5月には、南部美人の「南部美人 All Koji 2003」(熟と燗オリジナル)が、世界最大級のワインコンテストであるInternational Wine Challenge (IWC) のSAKE部門古酒カテゴリーで、2025年のカテゴリー優秀賞であるゴールドメダルを受賞。 6月には、天寿酒造の「天寿 純米吟醸 1997」(熟と燗オリジナル)が、フランスで開催された和酒コンクール「Kura Master」の古酒部門にて2025年の「審査員賞(その部門の最優秀賞に相当)」を受賞。 熟と燗は、熟成日本酒の業界発展のため、質を担保するマーチャントとしての役割を担うべく、創業いたしました。 「品質の高い熟成酒を選び抜き、自らのブランドを賭けて保証する」この信念のもと、優れた造り手と組み、ダブルブランドシリーズを展開しています。 今回の2本の熟成酒も、大変高品質かつ稀有なお酒。その品質の高さとユニークな味わいを認め、蔵元の多大なご協力のもとダブルブランドとして熟と燗が独占的に販売するに至ったという経緯があります。 それゆえに今回の受賞は大変嬉しく、いつもご支援いただいている皆さまとその喜びを分かち合いたいと思っております。 つきましては、受賞を記念し、この受賞酒を2本セットにした商品を期間限定特別価格にて販売いたします。 熟と燗以外では取り扱いのない2本です。どうぞこの機会に世界でも認められた熟成日本酒をお試しください。 商品名:【受賞酒セット】南部美人 All Koji2003、天寿 純米吟醸 1997(熟と燗オリジナル)価格: 38,000円(税込) *通常価格41,000円(税込)販売期間: 2025年7月1日~7月31日までセット内容(各1本):・南部美人 All Koji 2003(熟と燗オリジナル) 720ml 【International...

ヨーロッパで認められた熟成酒

5月、6月と続けて嬉しいニュースが飛び込んできました。 5月には、南部美人の「南部美人 All Koji 2003」(熟と燗オリジナル)が、世界最大級のワインコンテストであるInternational Wine Challenge (IWC) のSAKE部門古酒カテゴリーで、2025年のカテゴリー優秀賞であるゴールドメダルを受賞。 6月には、天寿酒造の「天寿 純米吟醸 1997」(熟と燗オリジナル)が、フランスで開催された和酒コンクール「Kura Master」の古酒部門にて2025年の「審査員賞(その部門の最優秀賞に相当)」を受賞。 熟と燗は、熟成日本酒の業界発展のため、質を担保するマーチャントとしての役割を担うべく、創業いたしました。 「品質の高い熟成酒を選び抜き、自らのブランドを賭けて保証する」この信念のもと、優れた造り手と組み、ダブルブランドシリーズを展開しています。 今回の2本の熟成酒も、大変高品質かつ稀有なお酒。その品質の高さとユニークな味わいを認め、蔵元の多大なご協力のもとダブルブランドとして熟と燗が独占的に販売するに至ったという経緯があります。 それゆえに今回の受賞は大変嬉しく、いつもご支援いただいている皆さまとその喜びを分かち合いたいと思っております。 つきましては、受賞を記念し、この受賞酒を2本セットにした商品を期間限定特別価格にて販売いたします。 熟と燗以外では取り扱いのない2本です。どうぞこの機会に世界でも認められた熟成日本酒をお試しください。 商品名:【受賞酒セット】南部美人 All Koji2003、天寿 純米吟醸 1997(熟と燗オリジナル)価格: 38,000円(税込) *通常価格41,000円(税込)販売期間: 2025年7月1日~7月31日までセット内容(各1本):・南部美人 All Koji 2003(熟と燗オリジナル) 720ml 【International...

「本と日本酒」 第二回

「本と日本酒」 第二回

熟成酒の文化を再興し、その楽しみを広げていく。これが熟と燗のミッションですが、過去の伝統を復活させるだけでなく、新たな文化の楽しみを少しずつでも付け加えていきたいと思っています。 その試みの一つが、ブックディレクターの幅允孝さんをお迎えしての、本と日本酒の「ペアリング」。 特徴のあるお酒を選び、それに合わせて幅さんが選書。なぜそれを選んだか、をうかがったり、一部の朗読を聞かせていただいたりしながら、ゆっくりとお酒を楽しむ。そんなイベントの第二回が、先日京都東山山麓の某所で行われました。 共催してくださった「きょうの日本酒」からは、群馬川場村の土田酒造と永井酒造のそれぞれ魅力的な新酒を。 そして「熟と燗」からは、“神亀 小鳥のさえずり 純米吟醸酒 2018”、“玉川 自然仕込 Time Machine Vintage 2018(タイムマシン)”をお出ししました。 “小鳥のさえずり”にペアリングされたのは、芥川賞候補に何度もなりながら受賞しないまま早逝した佐藤泰志の「きみの鳥はうたえる」。 近年、映像作品化が続き、再度注目されることが増えた佐藤泰志さん。その手になる小説は、男性二人、女性一人の三人の心理の奥深くを覗かせながら、謎めいたままストーリーが進行する、ドラマチックだけど静かさを感じさせてくれるとても素敵な作品でした。小鳥のさえずりの骨太な中に隠れたしっかりした旨みが、熱々燗にすることグッと立ち上がる。そんな発見をしながら、この朗読を聴くのはまさに至福。 ◇ 神亀 小鳥のさえずり 純米吟醸酒 2018 720ml  価格:3,350円(税込) 商品を見る 一方、“タイムマシン”には、小松左京の初期の名作「果てしなき流れの果てに」。「日本沈没」などの数多くの作品や前回の大阪万博のプロデュースなどで知られる小松左京さんの最初期の壮大なS F作品。 まさにタイムマシンに相応しく、時の流れを行き来しながら、ストーリーが進むのですが、その時間軸は実に壮大。中国発の「三体」のスケールには驚かされましたが、いやいや1965年に発表されたこの作品もスケールという点では引けをとりません。玉川(木下酒造)の杜氏フィリップハーパーさんが江戸時代のレシピをもとに作り上げた“タイムマシン”を少しずつ口に含みながら、幅さんのお話を伺う。参加いただいた方々の多くが「ずっと続いてほしい時間」とおっしゃっていたのが印象的でした。 ◇ 玉川 自然仕込 Time...

「本と日本酒」 第二回

熟成酒の文化を再興し、その楽しみを広げていく。これが熟と燗のミッションですが、過去の伝統を復活させるだけでなく、新たな文化の楽しみを少しずつでも付け加えていきたいと思っています。 その試みの一つが、ブックディレクターの幅允孝さんをお迎えしての、本と日本酒の「ペアリング」。 特徴のあるお酒を選び、それに合わせて幅さんが選書。なぜそれを選んだか、をうかがったり、一部の朗読を聞かせていただいたりしながら、ゆっくりとお酒を楽しむ。そんなイベントの第二回が、先日京都東山山麓の某所で行われました。 共催してくださった「きょうの日本酒」からは、群馬川場村の土田酒造と永井酒造のそれぞれ魅力的な新酒を。 そして「熟と燗」からは、“神亀 小鳥のさえずり 純米吟醸酒 2018”、“玉川 自然仕込 Time Machine Vintage 2018(タイムマシン)”をお出ししました。 “小鳥のさえずり”にペアリングされたのは、芥川賞候補に何度もなりながら受賞しないまま早逝した佐藤泰志の「きみの鳥はうたえる」。 近年、映像作品化が続き、再度注目されることが増えた佐藤泰志さん。その手になる小説は、男性二人、女性一人の三人の心理の奥深くを覗かせながら、謎めいたままストーリーが進行する、ドラマチックだけど静かさを感じさせてくれるとても素敵な作品でした。小鳥のさえずりの骨太な中に隠れたしっかりした旨みが、熱々燗にすることグッと立ち上がる。そんな発見をしながら、この朗読を聴くのはまさに至福。 ◇ 神亀 小鳥のさえずり 純米吟醸酒 2018 720ml  価格:3,350円(税込) 商品を見る 一方、“タイムマシン”には、小松左京の初期の名作「果てしなき流れの果てに」。「日本沈没」などの数多くの作品や前回の大阪万博のプロデュースなどで知られる小松左京さんの最初期の壮大なS F作品。 まさにタイムマシンに相応しく、時の流れを行き来しながら、ストーリーが進むのですが、その時間軸は実に壮大。中国発の「三体」のスケールには驚かされましたが、いやいや1965年に発表されたこの作品もスケールという点では引けをとりません。玉川(木下酒造)の杜氏フィリップハーパーさんが江戸時代のレシピをもとに作り上げた“タイムマシン”を少しずつ口に含みながら、幅さんのお話を伺う。参加いただいた方々の多くが「ずっと続いてほしい時間」とおっしゃっていたのが印象的でした。 ◇ 玉川 自然仕込 Time...

熟成日本酒:カテゴリーごとの典型的味わい(その3)

熟成日本酒:カテゴリーごとの典型的味わい(その3)

熟成日本酒のカテゴリー3つ目は、「スペシャルテイスト」。その名の通り、日本酒という言葉がイメージさせる味わいからあえて離れ、独自の世界観で飲む喜びを与えてくれる一群のお酒です。 まずは、樽熟成による美味しさをフルに活かした世界基準のお酒。 熟と燗オリジナルの「古韻 シェリー樽熟成」は、シェリー樽で17年以上熟成され、質の高いウィスキーやブランデーに匹敵する芳醇な香りとうっとりするような甘みを含んだ味わい。しかし、アルコール度数は遥かに低い25度で、優しく飲めるお酒です。最高級のウィスキーが並ぶオーセンティックバーなどでも提供され始めました。 ◇ 古韻 シェリー樽熟成(熟と燗オリジナル) 720ml  価格:12,000円(税込) 商品を見る また、あえて強い個性のお酒を醸し、長期熟成によって、他にない美味しさを完成させるお酒もあります。 熟と燗のダブルブランドシリーズの中で言えば、「AFS Ensemble」や「南部美人 All Koji 2003」。 AFSは高温山廃という独特の製法で、酸の味わいだ強く出るお酒を作り、それを長期熟成することで、丸くなった柑橘のような酸と、カカオ、ナッツ、トースト、ドライフルーツといった複雑なニュアンスを感じさせてくれる香りと味を両立させる唯一無二と言っても良いお酒。その中でも、AFS ensembleは、1970年代醸造の長期熟成酒にごく少量の若いお酒をアセンブラージュした逸品です。 ◇ AFS Ensemble(熟と燗オリジナル) 720ml  価格:16,500円(税込) 商品を見る 一方、「南部美人 All Koji 2003」は、甘みの強いお酒を作った上で、20年以上かけて長期熟成。黄金色で、まろやかな甘みと旨み、そして微かな渋みをバランスさせた希少なお酒です。 ◇ 南部美人...

熟成日本酒:カテゴリーごとの典型的味わい(その3)

熟成日本酒のカテゴリー3つ目は、「スペシャルテイスト」。その名の通り、日本酒という言葉がイメージさせる味わいからあえて離れ、独自の世界観で飲む喜びを与えてくれる一群のお酒です。 まずは、樽熟成による美味しさをフルに活かした世界基準のお酒。 熟と燗オリジナルの「古韻 シェリー樽熟成」は、シェリー樽で17年以上熟成され、質の高いウィスキーやブランデーに匹敵する芳醇な香りとうっとりするような甘みを含んだ味わい。しかし、アルコール度数は遥かに低い25度で、優しく飲めるお酒です。最高級のウィスキーが並ぶオーセンティックバーなどでも提供され始めました。 ◇ 古韻 シェリー樽熟成(熟と燗オリジナル) 720ml  価格:12,000円(税込) 商品を見る また、あえて強い個性のお酒を醸し、長期熟成によって、他にない美味しさを完成させるお酒もあります。 熟と燗のダブルブランドシリーズの中で言えば、「AFS Ensemble」や「南部美人 All Koji 2003」。 AFSは高温山廃という独特の製法で、酸の味わいだ強く出るお酒を作り、それを長期熟成することで、丸くなった柑橘のような酸と、カカオ、ナッツ、トースト、ドライフルーツといった複雑なニュアンスを感じさせてくれる香りと味を両立させる唯一無二と言っても良いお酒。その中でも、AFS ensembleは、1970年代醸造の長期熟成酒にごく少量の若いお酒をアセンブラージュした逸品です。 ◇ AFS Ensemble(熟と燗オリジナル) 720ml  価格:16,500円(税込) 商品を見る 一方、「南部美人 All Koji 2003」は、甘みの強いお酒を作った上で、20年以上かけて長期熟成。黄金色で、まろやかな甘みと旨み、そして微かな渋みをバランスさせた希少なお酒です。 ◇ 南部美人...

熟成日本酒:カテゴリーごとの典型的味わい(その2)

熟成日本酒:カテゴリーごとの典型的味わい(その2)

前回お伝えした「低温貯蔵」「常温貯蔵」に続いて、今回は熟成スパークリングの典型的な味わいについて。 日本酒の中には、新酒で微発泡の刺激を楽しむものや、うすにごり・おりがらみといったにごり酒の一種まで、発泡性のものが色々とあります。 その中でも、熟と燗が扱うのは、シャンパーニュと同様の瓶内2次発酵という手法で作られ、蔵内で寝かすことで魅力を増した熟成スパークリングです。(awa酒という呼称を許されたお酒でもあります。) 瓶詰めした後にも発酵が進み、泡がお酒に溶け込み、その後酵母のおりを取り除いてから更に熟成。心地よい泡立ちを残しつつ、複雑な美味しさを感じさせてくれる魅力あふれるお酒です。 良く飲まれるドライなシャンパーニュとの違いは、日本酒ならではの旨み。熟成によるトーストのような香りが心地よく、そこに控え目な甘みと旨みが相まって、シャンパーニュとはまた違う世界観を感じさせてくれます。 当社オンラインショップでもお求めいただける「七賢スパークリング Expression 2006」は、仕込みの際に2006年に醸造され熟成された大吟醸酒を使用。その後の発酵プロセスでも2種類の酵母を使うことで、力強い泡立ちと複雑な香り・味わいを両立。 ◇ 七賢スパークリング Expression 2006 720ml  価格:22,000円(税込) 商品を見る また、本数が非常に限られていますが、「THE MIZUBASHO PURE 2008」は、細かい泡立ちと熟成によるまろやかさを感じさせてくれる逸品です。(限定販売のため、ご希望があれば、Contactよりお問い合わせください。) ◇ The MIZUBASHO PURE 2008 720ml  価格:33,000円(税込) どちらも、フォアグラのようなしっかりした前菜、あるいは脂の乗ったスモークサーモンのサラダ仕立てなどとも相性が良く、食事とお酒の相乗作用を感じさせてくれます。

熟成日本酒:カテゴリーごとの典型的味わい(その2)

前回お伝えした「低温貯蔵」「常温貯蔵」に続いて、今回は熟成スパークリングの典型的な味わいについて。 日本酒の中には、新酒で微発泡の刺激を楽しむものや、うすにごり・おりがらみといったにごり酒の一種まで、発泡性のものが色々とあります。 その中でも、熟と燗が扱うのは、シャンパーニュと同様の瓶内2次発酵という手法で作られ、蔵内で寝かすことで魅力を増した熟成スパークリングです。(awa酒という呼称を許されたお酒でもあります。) 瓶詰めした後にも発酵が進み、泡がお酒に溶け込み、その後酵母のおりを取り除いてから更に熟成。心地よい泡立ちを残しつつ、複雑な美味しさを感じさせてくれる魅力あふれるお酒です。 良く飲まれるドライなシャンパーニュとの違いは、日本酒ならではの旨み。熟成によるトーストのような香りが心地よく、そこに控え目な甘みと旨みが相まって、シャンパーニュとはまた違う世界観を感じさせてくれます。 当社オンラインショップでもお求めいただける「七賢スパークリング Expression 2006」は、仕込みの際に2006年に醸造され熟成された大吟醸酒を使用。その後の発酵プロセスでも2種類の酵母を使うことで、力強い泡立ちと複雑な香り・味わいを両立。 ◇ 七賢スパークリング Expression 2006 720ml  価格:22,000円(税込) 商品を見る また、本数が非常に限られていますが、「THE MIZUBASHO PURE 2008」は、細かい泡立ちと熟成によるまろやかさを感じさせてくれる逸品です。(限定販売のため、ご希望があれば、Contactよりお問い合わせください。) ◇ The MIZUBASHO PURE 2008 720ml  価格:33,000円(税込) どちらも、フォアグラのようなしっかりした前菜、あるいは脂の乗ったスモークサーモンのサラダ仕立てなどとも相性が良く、食事とお酒の相乗作用を感じさせてくれます。

熟成日本酒:カテゴリーごとの典型的味わい

熟成日本酒:カテゴリーごとの典型的味わい

熟成日本酒をお選びいただくときに、まず手助けとなるのは、カテゴリーごとの典型的な味わいの違いです。 熟と燗では熟成酒を、熟成スパークリング、低温貯蔵、常温貯蔵、スペシャルテイストの4つのカテゴリーにわけ、常温貯蔵のうち、特にお燗に向いたものを「燗好適酒」として表示しています。 今回はまず、低温貯蔵と常温貯蔵の典型的な味わいの違いから。 その名の通り、低温貯蔵は10度以下で熟成したお酒で、その多くは、吟醸・大吟醸という「お米をより多く削った」日本酒です。 蔵元では、削りを多くする場合は、骨格が細めの、いわゆる「綺麗なお酒」を狙った酒質設計となるのが通例です。この「綺麗なお酒」を低温で熟成させることで、新酒の少し荒々しさを感じさせる部分を丸くさせ、「綺麗で丸い」お酒となります。 色合いも淡く、美味しい新酒にまろやかさを加えた感じが、典型的な味わい。 ごく稀に、熟成によって、複雑な味わいが層を成すようなものもあります。(当社オリジナルの「天寿 純米吟醸 1997」がその代表例) ◇ 天寿 純米吟醸 1997(熟と燗オリジナル) 720ml  価格:33,000円(税込) 商品を見る   一方、常温貯蔵は蔵内や貯蔵施設の中で常温で熟成されたお酒で、その多くは15−20度強の環境下で貯蔵されます。 酒質の設計も、あまり削り過ぎず、米に含まれるアミノ酸や発酵によって生成される様々な有機酸による複雑な味わいがあります。 アミノ酸と糖によるメイラード反応によって、美しい黄金色になるに仕上がっているお酒も多く、香り、味わいの複雑性が魅力です。 この複雑性ゆえに、フレンチやイタリアンなどとも合わせて、より食事の楽しみを高めてくれるお酒がほとんど。 筆者の個人的には、焼いた鴨と「達磨正宗 Over 5 Years(熟と燗オリジナル)」の組み合わせなど、テッパンだと感じます。 ◇ 達磨正宗 Over 5 Years(熟と燗オリジナル)...

熟成日本酒:カテゴリーごとの典型的味わい

熟成日本酒をお選びいただくときに、まず手助けとなるのは、カテゴリーごとの典型的な味わいの違いです。 熟と燗では熟成酒を、熟成スパークリング、低温貯蔵、常温貯蔵、スペシャルテイストの4つのカテゴリーにわけ、常温貯蔵のうち、特にお燗に向いたものを「燗好適酒」として表示しています。 今回はまず、低温貯蔵と常温貯蔵の典型的な味わいの違いから。 その名の通り、低温貯蔵は10度以下で熟成したお酒で、その多くは、吟醸・大吟醸という「お米をより多く削った」日本酒です。 蔵元では、削りを多くする場合は、骨格が細めの、いわゆる「綺麗なお酒」を狙った酒質設計となるのが通例です。この「綺麗なお酒」を低温で熟成させることで、新酒の少し荒々しさを感じさせる部分を丸くさせ、「綺麗で丸い」お酒となります。 色合いも淡く、美味しい新酒にまろやかさを加えた感じが、典型的な味わい。 ごく稀に、熟成によって、複雑な味わいが層を成すようなものもあります。(当社オリジナルの「天寿 純米吟醸 1997」がその代表例) ◇ 天寿 純米吟醸 1997(熟と燗オリジナル) 720ml  価格:33,000円(税込) 商品を見る   一方、常温貯蔵は蔵内や貯蔵施設の中で常温で熟成されたお酒で、その多くは15−20度強の環境下で貯蔵されます。 酒質の設計も、あまり削り過ぎず、米に含まれるアミノ酸や発酵によって生成される様々な有機酸による複雑な味わいがあります。 アミノ酸と糖によるメイラード反応によって、美しい黄金色になるに仕上がっているお酒も多く、香り、味わいの複雑性が魅力です。 この複雑性ゆえに、フレンチやイタリアンなどとも合わせて、より食事の楽しみを高めてくれるお酒がほとんど。 筆者の個人的には、焼いた鴨と「達磨正宗 Over 5 Years(熟と燗オリジナル)」の組み合わせなど、テッパンだと感じます。 ◇ 達磨正宗 Over 5 Years(熟と燗オリジナル)...

熟と燗ダブルブランド熟成酒シリーズ

熟と燗ダブルブランド熟成酒シリーズ

いよいよ新年度。東京の桜は、ちょうど月を跨いで満開となりました。この一年、熟と燗が取り組んできたのは、ダブルブランドの充実でした。蔵元のブランドに加えて、熟と燗のブランドも表示したオリジナル熟成酒のシリーズ。おかげさまで、9銘柄(2025年4月15日時点)を数えるまでになりました。   ワインビジネスの黎明期、ロンドンのワイン商たちの重要な仕事は「品質の高いワインを選び抜き、それを自らのブランドを賭けて保証する」ことでした。どの造り手が優れているか、どの樽はより品質が高いか、を判断することが彼らの付加価値だったのです。   今再び黎明期を迎えた熟成日本酒の世界でも、同様に「品質の高い熟成酒を選び抜き、自らのブランドを賭けて保証する」役割が必要。そう信じて、優れた造り手のブランドと同時に「熟と燗」のブランドも表示させていただくダブルブランドのシリーズを登場させました。   長い年月を経たお酒だけに、飲む側の方々がどれを選べば良いかを迷われる場面に数多く遭遇してきました。熟と燗のダブルブランドなら、と安心してお選びいただけるように、そして優れた造り手のブランドがより一層高まっていくように。そういう思いを込めて、作ったシリーズです。   今では、桜の代名詞のようになったソメイヨシノ。元々は、江戸時代、今の駒込近辺にあった染井村の樹木商たちが、全国に広めていったと言われています。私たちも熟成日本酒が津々浦々に(再度)広まっていくように、熟と燗というブランドも冠したダブルブランドシリーズを、これからも充実させて参ります。

熟と燗ダブルブランド熟成酒シリーズ

いよいよ新年度。東京の桜は、ちょうど月を跨いで満開となりました。この一年、熟と燗が取り組んできたのは、ダブルブランドの充実でした。蔵元のブランドに加えて、熟と燗のブランドも表示したオリジナル熟成酒のシリーズ。おかげさまで、9銘柄(2025年4月15日時点)を数えるまでになりました。   ワインビジネスの黎明期、ロンドンのワイン商たちの重要な仕事は「品質の高いワインを選び抜き、それを自らのブランドを賭けて保証する」ことでした。どの造り手が優れているか、どの樽はより品質が高いか、を判断することが彼らの付加価値だったのです。   今再び黎明期を迎えた熟成日本酒の世界でも、同様に「品質の高い熟成酒を選び抜き、自らのブランドを賭けて保証する」役割が必要。そう信じて、優れた造り手のブランドと同時に「熟と燗」のブランドも表示させていただくダブルブランドのシリーズを登場させました。   長い年月を経たお酒だけに、飲む側の方々がどれを選べば良いかを迷われる場面に数多く遭遇してきました。熟と燗のダブルブランドなら、と安心してお選びいただけるように、そして優れた造り手のブランドがより一層高まっていくように。そういう思いを込めて、作ったシリーズです。   今では、桜の代名詞のようになったソメイヨシノ。元々は、江戸時代、今の駒込近辺にあった染井村の樹木商たちが、全国に広めていったと言われています。私たちも熟成日本酒が津々浦々に(再度)広まっていくように、熟と燗というブランドも冠したダブルブランドシリーズを、これからも充実させて参ります。