2023年8月22日、「熟と燗」2回目のコラボレーションイベントが麻布十番「可不可KAFUKA TOKYO」で行われました。季節の素材を活かした7品のコースと、熟と燗セレクトの熟成酒とのペアリング。今回は熟成酒の入門となるようなお酒を中心に、料理との相性をさまざまな形で楽しんでいただきました。
弊社代表の御立と可不可の宮下氏の挨拶で幕を開けたイベント。
最初のお料理は「無花果 胡麻味噌焼き」「白和え 新銀杏 占地 蒟蒻 ほうれん草」「汲み上げ湯葉 フルーツトマト バジル」の前菜三種。
合わせた熟成酒は、きりっと冷やした「分福 純米辛口 大古酒 16年」をワイングラスで。旨味、酸味のバランスが非常に良いお酒で、食材の組み合わせの妙が素晴らしい前菜3種の魅力をさらに引き立てました。
続いて「大澤産 玉蜀黍 素麺 甘エビ」には「玉川 自然仕込 純米酒(山廃)ビンテージ 2017」を冷やで。玉蜀黍、甘エビの甘みと控えめな塩味が、玉川のボディのある旨味と甘みを同調していきます。
三、四品目は「冬瓜 蟹葛餡 柚子」のお椀、そして「活蛸 胡瓜 茗荷 大葉 梅和え」。
合わせるお酒は「熟露枯(うろこ) 大吟醸10年以上」。熟露枯は「熟成酒にハマるきっかけになった」とおっしゃる方も多く、弊社のテースター陣も最高評価を付けているお酒です。柔らかながら、奥に複雑さを秘めた黄金色が美しく、冬瓜のお椀の出汁の深みや柚子の香りと組み合わさって、何層もの味わいの襞を重ねてくれました。蛸の大葉・梅和えの酸味と合わせると、また別の表情も出てきます。
今回のペアリングイベントの中でも大好評だった組み合わせが次の品。
美味しい出汁を張った「甘鯛 若布 蛤」と「西の関 超辛口1988」を合わせました。お料理の繊細さに合わせて、常温のまま平盃で。甘鯛と蛤の出汁の深い旨味が、西の関の甘い香りと膨らみのある旨味と抜群の相性で、「このままずっと出汁と西の関を飲み続けていたい」と言う声もいただきました。
メインのお肉料理は「和牛味噌漬け 万願寺唐辛子 蓮根 ズッキーニ 長芋 焼きおにぎり」。こちらには序盤で提供した「玉川 自然仕込 純米酒(山廃)ビンテージ 2017」を55度の燗でご提供。玉川は非常に燗映えするお酒で、旨味が増幅されて、お肉とお味噌のしっかりした味を、真正面から組みとめ、それぞれ単独では感じられない味わいと幸福感を感じさせてくれました。
最後のデザートは「富士桃コンポート 桃のジェラート 桃のジュレ ミント マスカルポーネ」。合わせたのは「浜福鶴 シェリー樽熟成酒 絲(ito)10年以上」を少量小ぶりのグラスで。シェリー樽で長期熟成させた、旨味、甘み、バニラのような香りが特徴で、桃のデザートとの相性は完璧でした。
次回は、どのようなレストランとご一緒させていただくか、我々も楽しみながら企画しています。決まり次第、皆様にもご案内させていただきますので、ぜひ熟成酒と素晴らしいお料理との組み合わせをお楽しみください。