野趣と繊細さを持つ「室町和久傳」。海と山に囲まれた京丹後の食材の豊かさと季節を大切にした繊細な料理で京都を代表する老舗料亭です。「室町和久傳」の料理と「熟と燗」が厳選した熟成酒を掛け合わせて、料理と熟成酒の世界観を探求する会を新緑が深まる京都で開催致しました。最初に、淡色、山吹色、琥珀色の三種類の熟成酒を用意。淡色は、天寿 純米吟醸 H9を冷やで。山吹色と琥珀色は、同じ蔵の達磨正宗の3年熟成と10年熟成を常温でお出し致しました。天寿は、少しづつ温度が上がることによる味わいの違いを。達磨正宗は、同じ銘柄での熟成時間の違いを愉しんで頂きました。
料理のはじまりは、蛤鍋。旨味の強い出汁に合わせて、達磨正宗(熟成3年)を常温と蛤鍋の出汁割の二つの飲み方で愉んで頂きました。出汁割は、酒:出汁=1:2。新酒で割ると出汁負けしてしまうのですが、熟成酒が持つポテンシャルを識っていただく時間となりました。 料理は、伊佐木焼き霜、若鮎寿司と続きます。伊佐木は、山菜の滋味が入ったお醤油で。合わせたお酒は、奥播磨の生酒を燗酒に致しました。伊佐木、山菜、醤油、それぞれの味を燗酒が余韻まで膨らませてくれます。若鮎寿司は、手巻き寿司でしたので、バランス感覚の良い熟露枯 大吟醸10年をお出ししました。口の中でいろんな味わいが重なっていくところを調和させ、味わいを丸くしてくれます。
猪肉の花山椒鍋。たっぷりと惜しげもなく使う花山椒は、和久傳の春の名物です。お酒は、末廣 1984年。
花山椒のスパイシーさを末廣の時間がもたらす重層的な味わいと合わさり、印象的な一品となりました。
会も深まり、旨味の強い料理に進んでいきます。渡蟹に合わせたお酒は、蟹味噌とかぼすの旨みも受け止めることのできる直実の30年超古酒。今回は特別に1964年醸造の稀少な一本を味わっていただきました。時知らずの竹皮焼きは、和久傳さんと同じ京都の酒蔵「月の桂」さんの
「熟と燗オリジナル」をぬる燗でご用意しました。
「月の桂」さんのお酒は甕で熟成させており、高温で作る甕の遠赤効果で柔らかさがでています。さらに30年ものと10年ものをアッサンブラージュし「
熟と燗オリジナル」を特別に作って頂きました。
最後は、鼈甲生姜にあわせて、香りの良い絲をリキュールグラスで。会の余韻を愉しんで頂きました。
最後は、鼈甲生姜にあわせて、香りの良い絲をリキュールグラスで。会の余韻を愉しんで頂きました。
室町和久傳 × 熟と燗
献立
蛤鍋 × 達磨正宗熟成3年
伊佐木焼き霜 × 奥播磨 山廃純米 兵庫夢錦 五拾五 生
若鮎寿司 × 熟露枯 大吟醸10年
花山椒 猪肉 × 末廣 1984年
天然山菜 胡麻和え
渡蟹 かぼす × 秘蔵直実 30年越古酒
時知らず 竹皮焼き × 月の桂 熟と燗オリジナル 30年/10年アッサンブラージュ
コンテチーズ36ヶ月熟成
白ご飯
鮒寿司茶漬け
帆立貝柱の天丼
鼈甲生姜 × シェリー樽熟成酒 絲(ito)