テイスターの選ぶ「3グラスアワード」

テイスターの選ぶ「3グラスアワード」

日本酒でもワインでも、はたまたシェリーやラム酒でも、長年の熟成を経た古酒を選ぶ難しさは、お酒の状態の良し悪しが、飲むまでわからないことにあります。

このお酒はきちんと保存されて、美味しい状態に保たれているか。今飲むのは早すぎないか、遅すぎないか。

誰しも、この辺りが当然気になるのは無理のないところ。

 

ワインの世界では、この問題を解決するために、専門家によるテイスティングと批評・評価の文化が発達しました。

長い歴史を持つ熟成日本酒が、一部愛好家向けに留まってきた理由の一つには、このテイスティングと批評・評価の文化が不足してきたことがあります。

 

このため、熟と燗では、お客様が安心してお酒を選んでいただけるよう、(若干のハレーションが起こることを承知で)熟成酒のテイスティングと評価を行ない、その結果も公表しています。

 

熟と燗オンラインストアを見ていただくと、ほとんどの商品には、商品紹介・蔵の紹介に続いて、テイスターの実名入りでコメントが掲載されています。

バイアスのかからない評価を、という思いから、4名のオフィシャルテイスターのうち3名の方々は、熟と燗とは独立したメンバー。

元国税庁の酒類鑑定官、そして食事と日本酒のペアリングのプロお二人です。(残り1名は、熟と燗の社長兼バーマスターにして、熟成酒協会の理事でもある上野が務めています)

 

テイスティングの結果、オンラインストアや実店舗・バーで提供されているお酒は全て一定以上の品質で、今お飲みいただいて美味しいものばかりです。(さらに熟成させ、より高みに到達しそうなものは、その旨記載しています)

嗜好品である熟成日本酒には、さまざまな魅力があるので、あえて、パーカーのワインガイドのような100点満点での点数付けはしていません。

が、、テイスターの大部分が「これは、同タイプの中ではずば抜けている」「何十銘柄も飲んだ後で、他にない魅力があり強く印象に残った」と挙げたお酒については、3グラス(燗好適の場合は、3盃)アワードを設けています。サイトでお気づきになった方もいらっしゃるかも。

 

今回は、2023年にテイスティングを行った70種類を超える熟成酒の中、わずか2銘柄の3グラス(盃)アワード対象となったお酒をご紹介します。

 

燗好適酒

奥播磨 山廃兵庫夢錦55生(2020年)

奥播磨 山廃兵庫夢錦55生(2020年)

ほとんどの熟成日本酒は、醸造の最後に、温度をあげ、微生物の働きを抑える「火入れ」というプロセスを行います。

このプロセスを行わない「生」のお酒は、冷蔵されフレッシュなまま早めに飲むことが前提で出荷されます。

この「生」のお酒を熟成させ、独特の味と香りの魅力溢れるお酒に仕上げたのが、兵庫県の下村酒造店。

ぜひ、50−55度の熱めの燗でお楽しみください。

 

◇ 奥播磨 山廃兵庫夢錦55生(2020年)
  価格:720ml 1,950円(税込)

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アセンブラージュタイプ

熟露枯 大吟醸 10年以上

熟露枯 大吟醸 10年以上

大吟醸のお酒を、平均温度が10度前後となる栃木県那須の洞窟内で長年熟成させてきた島崎酒造。

10年以上、寝かせたお酒を複数ブレンド(アセンプラージュ)して、複雑かつまろやかなお酒に仕上げたものがこちらのお酒。

もう少し若いものから、さらに熟成を重ねたものまで、さまざまなブレンドを出しておられますが、少しだけ冷やして「今、飲む」という観点から、熟と燗テイスターの皆さんが「これ」と選んだのがこの一本です。


◇ 熟露枯 大吟醸 10年以上
 価格:720ml 8,800円(税込)

 

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