評価の軸・基準点を持つこと

評価の軸・基準点を持つこと

まもなく新年度。新入生や新入社員の初々しい姿を目にする機会が増える季節ですね。

担当の御立が、最初に勤めたのは航空会社でした。初年度は空港内を走り回る日々で、気がつくと足腰が鍛え直されていたのを思い出します。

次に配属された先は客室乗務員の訓練センターで、毎日機内からの脱出訓練やら肉の焼き方のトレーニングに追われることになりました。



機内でお出しするために、ワインについても学ばせてもらいました。

その中で気付かされたのが、自分の「軸」あるいは「基準点」を持つことの重要性です。

味や香りという、どこか捉えどころのないものは、記憶に残すのが存外難しい。

また、教科書を読んで知識を積み重ねるだけでは、どういうワインか判断する能力も身につきません。

ところが、数種類のワインを飲み重ね、そのワインだけをはっきり記憶に留める。

そして、それを「軸」にして、新しいワインと比較できるようになると、急にワインの世界での視界が広がっていくのです。

私の場合、ある大手ネゴシアンもののPouilly FuisseやGevrey Chambertinが比較の基準点になり、他のシャルドネやピノノワールがどういう立ち位置にあるか、だんだん見えてくる、そんな感覚です。

そのうちに、自分の好きなものが表現できるようになり、さらに様々なワインの味の特徴や価格の妥当性といったことが見えるようになってきます。



実は、熟成日本酒の世界もまったく同じ。

存分に楽しんでいただく早道は、「軸」となるお酒を味わい、記憶にとどめていただくことだと思います。

今回は、そんな軸・基準点になるようなお酒を紹介させていただきます。



食中酒として楽しめる熟成酒には、大きく2つの流れがあります。

一つが、比較的低温(10度以下)で熟成させ、複雑さを纏わせるもの。旨みが乗っていても、甘い感じにはならないものが主流です。

その代表の一つが、天寿大古酒。吟醸酒を3年以上低温貯蔵したお酒で、今回のものは2018年醸造。

古酒大吟醸 天寿 3年以上(2018醸造)

◇ 古酒大吟醸 天寿 3年以上(2018醸造)

  価格:720ml  5,800円(税込)

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もう一つは、最初から熟成感が出やすい酒質を設計し、常温(15度前後が多いです)で熟成させ、カラメルを思わせる熟成香と味わいを出していくもの。あまりお米を削らない、純米酒が中心です。

この流れの基準となりえるお酒が、達磨正宗3年。3年以上常温熟成させた原酒を複数ブレンドし、素晴らしいバランスに作り上げています。

 

達磨正宗 熟成3年

 

◇達磨正宗 熟成3年

  価格:720ml  2,350円(税込)

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ご自身の「軸」「基準点」を作ってみても良いな、と思われたら、ぜひお試しください。

 

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